簡単!金木犀と塩で作るモイストポプリの作り方

こんにちは、キープランツの野口です!

秋に公園や緑道を散歩していると、どこからか爽やかな甘い香りがしてくる事はありませんか?秋の花で香りが有名なのは金木犀(キンモクセイ)で、日本の三大香木に選ばれています。

金木犀はとっても良い香りなのですが、開花期間が短く、2週間くらいしか楽しめないんですよね。でも、この香りを長く楽しめる魔法のような方法があります。それはズバリ「モイストポプリ」です!

今回はご家庭でも簡単にできるモイストポプリの作り方をお伝えします。

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 金木犀の香りを長く楽しみたい。
  • モイストポプリを上手に作りたい。
  • 材料は何が必要なの?

金木犀のモイストポプリは、花・塩・保存容器の3つさえあれば簡単に作ることができます。

ちょっとだけ注意点もありますので、コツを押さえて楽しみながら作ってみてください。

それでは、どうぞ!

モイストポプリとは

まずポプリというのは室内で香りを楽しむために古くに考えられたアイテムです。芳香のある花や葉を容器に入れて、熟成させて作ります。

大きく分けると、材料を完全に乾燥させて作るドライポプリと、半乾燥した材料に塩を加えるモイストポプリがあります。

今回ご紹介するのはモイストポプリです。

必要な材料

金木犀を使ったモイストポプリの材料(金木犀の花、塩、ビン)
金木犀を使ったモイストポプリの材料(金木犀の花、塩、ビン)

材料一覧

材料は以下の3つです。

  • 金木犀の花
  • 保存容器

金木犀の花

金木犀の開花時期は年によって変わりますが、関東地方の例だと9月中旬から10月中旬頃を目安に咲きます。花芽が膨らんでくれば、開花が近い合図です。日々観察していると、葉のつけ根の小さな芽が明るい黄緑色になって伸びてくるのが分かります。

枝にびっしりと小花が咲き、一つの花は5日程度咲きます。樹木全体の開花期間は2週間程度です。

塩には腐敗を防ぐ効果があります。食品の塩漬けと同じ考え方ですね。

モイストポプリでは塩の種類に決まりはなく、精製塩の他、粗塩や岩塩系のピンクソルトでも作れます。

私はサラサラした塩にしてみましたが、花の隙間に塩が吸い込まれやすかったです。後ほど出てくる花と塩の層を綺麗に見せたい場合は、粗塩の方が良いかもしれません。

保存容器

密閉さえできればお好みで大丈夫です。個人的にオススメなのは透明度が高いガラスビンです。また、蓋は金属製よりも、木製や樹脂製の方が良いかと思います。

インテリアにもなるので、ぜひお気に入りのビンをセレクトしてくださいね。

写真のビンは気まぐれで数年前にワゴンセールで買ったものです。良く見たらフランスからの輸入品でした。モイストポプリはフランス式とも言われるので、何かの縁かもしれません。

実際に作ってみよう

製作手順

大まかに、以下の流れで作っていきます。

  1. キンモクセイの花を集める
  2. 花の下ごしらえ
  3. ビンに花と塩を交互に入れる
  4. フタをして密閉保存

1.キンモクセイの花を集める

金木犀の花を集める様子
金木犀の花を集める様子

金木犀は小さな花が葉のつけ根に集まって房状に咲きます。

ソフトタッチで房ごと掴んで引っ張ると花だけ外す事ができます。

写真のように、下にトレーを用意し、プチプチと取って貯めていくのが早いと思います。枝も切らずに済みます。

なお、収穫日の決め方としては、香りが強くなった頃で、前日から雨が降っていない乾いた日を選ぶと良いです。

2.花の下ごしらえ

金木犀の下ごしらえ前
金木犀の下ごしらえ前
金木犀の下ごしらえ後
金木犀の下ごしらえ後

花を採取した時に、どうしても軸の部分(花茎)やゴミが混ざってしまうと思います。これを手作業で取り除いていきます。

ゴミを取ったらトレーに広げて余分な水分を飛ばします。カラカラにはしません。

お皿に盛ってみたところ、チキンライスにしか見えなかったのは内緒です。

3.ビンに花と塩を交互に入れる

容器に塩と金木犀の花を入れる(塩)
容器に塩と金木犀の花を入れる(塩)
容器に塩と金木犀の花を入れる(花)
容器に塩と金木犀の花を入れる(花)

いよいよ製作工程に入ります。工程と言っても至ってシンプルで、容器に入れるだけです。

塩と花弁を交互に入れていくと層状になって綺麗です。この場合、平らになるよう一層ずつ丁寧に均していくのがコツです。

今回はサラサラの細かい塩を使ったため、花弁の隙間が埋まってしまいました。層を見せるには、粒が大きめの塩の方が良いかなと思いました。

層は見た目の目的だけなので、適当に混ぜてしまってもOKです。

4.フタをして密閉保存

材料を容器いっぱいまで入れた
材料を容器いっぱいまで入れた
蓋を閉めてモイストポプリが完成
蓋を閉めてモイストポプリが完成

蓋をしっかり締めて、1か月程度を目安に日の当たらない涼しい場所で保管します。

時間が経つにつれ、花弁の水分が塩に吸収されると共に、花の色が茶色く変化していきます。

5.(追記・おまけ)製作から一か月後、開封の儀!!

製作から一か月が経過したモイストポプリ
製作から一か月が経過したモイストポプリ
熟成した?モイストポプリを開封
いざ、開封!!

開けるのを我慢してから、ようやく1か月が経過し、ついに開けてみました。

最初の印象は「あっ、ちゃんと香りする!!!」、そして後から紅茶のような香ばしさも感じました。

これが熟成というやつなのでしょうか!?

作成以後の情報って見た事がないので、作った事のある方はぜひ教えて下さい。

それと、作成時に鮮やかだった花の色は、大部分が茶色くなりました。カビは無いようです。

見た目はちょっとアレですが、香りはバッチリするので成功という事にします。

モイストポプリの使い方

好きな時に香りを楽しむ

リラックスしたい時など、甘い香りに包まれましょう。と言っても、香りは芳香剤のように強くないので、嗅ぎたい時だけ蓋を開けて、ほんのりと楽しむのが本来の使い方でしょうか。

蓋は使い終わったら閉めるようにすると長持ちします。もしも香りがなくなってしまったら、市販のエッセンシャルオイルを数滴垂らすと良いと思います。

バスソルトとして使ってもOK

モイストポプリは浴槽のお湯に溶かして楽しむこともできます。おうちのお風呂が一気に贅沢なバスタイムに変化します。

注意点

花を乾燥させ過ぎると香りが消えてしまう

金木犀の花は生乾き程度にして使用します。水分を飛ばすために天日干しや電子レンジを使う場合は、カラカラに乾燥させ過ぎないようにしましょう。

容器のフタは金属製だと錆びやすい

容器としてジャムの空きビン等も使えますが、金属製の蓋だった場合は錆びてしまう事があります。またステンレス製のものでも長期的には錆びてしまうため避けた方が無難です。

バスソルトとして使う場合は要チェック

まず、お風呂に入れる場合は、ポプリをティーパックに入れて使いましょう。浴槽へ直接投入すると花弁が配管詰まりの原因になるかもしれません。

また、塩の溶けたお湯を循環させると配管を痛めてしまうかもしれないので、追い炊き機能等はオフにしておきましょう。

浴槽の材質も要チェックです。プラスチックやステンレスといった水を吸わない素材は良いですが、大理石や木製、タイルといった吸水性のある素材では浴槽を痛めることがあります。錆びの問題で、鉄製のお風呂も相性が悪いです。使っても大丈夫な材質かどうか事前に確認しましょう。

使用後はすぐに真水で綺麗に洗い流してくださいね。

モイストポプリ作りは五感を刺激する

以上、モイストポプリの製作についてご紹介しました。今回の内容をまとめると以下の通りです。

内容のまとめ

  • 必要な材料は花、塩、保存容器の3つ
  • 花は生乾き状態で容器に入れる
  • 塩は粗塩がおすすめ
  • 容器選びでは錆びやすい素材は避ける

自然の香りを楽しむポプリ作りは五感を刺激します。

ちなみに五感の中では、香り(嗅覚)が一番記憶に残りやすいそうです。

今回は金木犀を例にご紹介しましたが、同様の方法でバラやローズマリー等のポプリも作れます。

記事をご覧の皆様も、世界に一つだけのオリジナルポプリを作って楽しんでみてはいかがでしょうか。

今日のキープラント

キンモクセイ

キンモクセイの花
キンモクセイの花

モクセイ科モクセイ属の常緑樹で、樹高5~6m程度に成長する高木です。

ジンチョウゲ、クチナシと合わせて日本の三大芳香木とされています。

中国原産で江戸時代に渡来したと言われ、日本には雄株しかないので実をつけません。流通するのは挿し木で増殖されたクローン個体と言われています。

用途としては、添景樹や生垣に利用されます。良く似た仲間にはギンモクセイ、ウスギモクセイ、ヒイラギモクセイがあります。

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